※2023年7月の旅行記です。
東京から2,000km、沖縄本島の南西400~500kmに位置にある石垣島を含めた八重山諸島。
石垣島・竹富島・小浜島・黒島・新城島・西表島・鳩間島・波照間島・与那国島などの12の島々で形成される諸島群です。
『八重山諸島』は、豊かな自然と沖縄の伝統文化が残り、個々で違う魅力を体験できる魅力的な島々。
この素晴らしい島々の中にある一つの島『黒島』をご存知ですか?
『黒島』とは?
『黒島』は石垣島から南南西17kmの位置にあり、西表島との間に位置する周囲12.6kmの小さな島です。
隆起サンゴ礁で形成された平坦な島は、上空から見た島の形がハート型であることから、「ハートアイランド」とも呼ばれています。
また、人口約220人に対して、牛の数は3000頭を越え「牛の島」として有名で広大な牧草地が広がっています。
観光地化もさほどされていなく、交番も信号もない、売店はひとつ、郵便局も診療所もひとつ、な〜んにもない島ですが、穏やかで平和な時間が流れていて、不思議な魅力のある場所です。
”何もしない”を堪能できる贅沢な島『黒島』をご紹介します。
アクセス
石垣島の「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」から高速船を利用して上陸します。
黒島への航路は「八重山観光フェリー」もしくは「安栄観光」が運行しており1日3本の往復船があり、所要時間は約25分です。
八重山観光フェリー
那覇発 | 黒島発 |
---|---|
9:40 | 10:20 |
12:30 | 13:10 |
17:00 | 17:35 |
安栄観光
石垣発 | 黒島発 |
---|---|
8:00 | 8:40 |
12:55(竹富島経由) | 13:50 |
16:00 | 17:25 |
運賃
片道(大人) | 往復(大人) | 片道(小人) | 往復(小人) |
¥1,510 | ¥2,910 | ¥770 | ¥1,480 |
私は八重山観光フェリーのツアーを申し込みました。
往復乗船料+レンタサイクル料+黒島研究所入場券がついて¥4,080とお得!だったので。
高速船での移動ですが、私は三半規管が弱いので、酔い止めを飲み準備万端で乗船しました。
約30分ほどの短い船旅ですが、高速船内は快適で、移動中には竹富島など他の島を見ることもできて楽しい移動でした。
黒島船客ターミナル
黒島に着くと”黒島ブルー”の美しい海が迎えてくれます。透明度が高く本当に綺麗です。
船着き場の前には、赤瓦のターミナル施設と駐車場があります。
施設内は冷房完備の待合所になっていて、乗船チケットの購入やちょっとしたお土産を販売しています。スタッフの方はずっと常駐されているわけではないようでして、船の発着時間に合わせて待機しているといった感じでした。
ターミナルの駐車場には、予約した宿やレンタサイクルの方々がお出迎えしていますので、予約した方はここで合流となります。
島内の移動手段
黒島は自転車でも外周を約1時間半ほどで周れる島です。
路線バスや電車などはないので、レンタル自転車・レンタルバイク・レンタカー・徒歩での移動が主となりますが、レンタカーは台数が数台しかないようなので車での移動を希望の方は早めに予約をした方がいいでしょう。
私はのんびりと島内を探索したかったのでレンタル自転車がセットになったツアーを予約。
お世話になったのは黒島船客ターミナルから徒歩2分ほどの『まっちゃんおばあのレンタサイクル』さんです。
親子で経営をされているらしく、お迎えと受付は娘さんにお世話になりました。
お借りする際に島内マップをいただけるので、シュノーケリングに最適なビーチをお伺いしたら、海のことはお父様がプロ!ということで、わざわざお呼びいただけて今日の海の状況などを教えていただきました。感謝。
自転車は「好きなの持ってって〜」って感じで、このゆるい感じがほっこりしちゃいました。
他にもレンタル自転車やバイクをお貸出している店舗は2店舗ありますがバイクにも限りがあるので、ご希望の方はレンタカー同様、早めの予約をおすすめします。
店舗名 | 電話番号 |
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まっちゃんおばあのレンタサイクル | 080-6497-2323 |
ハートランド | 0980-85-4007 |
黒島レンタサイクル | 090-4996-2512 |
黒島レンタカー | 0980-85-4211 |
黒島は平坦な道ばかりなので、のんびりとサイクリングを楽しむのがおすすめです!
ただ、太陽が燦燦と降り注ぐ中を走るので、日焼け対策をしっかりしてくださいね。
牛と広大な牧草地
島一番の産業は畜産業のため、人よりも牛が多く、島のほとんどが牧場といってもいいほどです。
気持ちよく自転車で走り出すと、すぐに広大な牧草地と黒い牛、牛、牛!
「ここは北海道だっけ?」と勘違いするほど、牛たちがいます。
日本が誇る高級ブランドの「黒毛和牛」の一部は、この小さな島で幼少期を過ごして、全国に子牛たちが出荷されます。
広大な牧草地に牧畜されている牛たちが“の〜んびり”と草を食べたり木陰で寝てたりしている光景は、「なんてのどかなんでしょう〜」と言葉が出てしまうほど平和です。
他にも圧巻の「麦稈(ばっかん)ロール」がお目見え。青い空と緑の中にポツンポツンと置かれているロールはアートにも見えてきて、ちょっと興奮しました。
牧場の緑の風景の中を自転車でゆっくりとサイクリングするのが本当に気持ちいいですよ。
ビーチ
島には川や池もないので生活用水が海に流れ込むことがなく、“黒島ブルー”とも呼ばれる、青くて透明度の高い美しい海が保たれており、八重山諸島の中でもトップクラスの美しさといわれ、産卵のためにウミガメが上陸してくることでも有名です。
島内には代表的なビーチが3箇所あり、この3箇所以外にもビーチはありますが、黒島は潮の流れが早く遊泳できるビーチは限られているので遊泳する際は注意が必要です。
① 仲本海岸
黒島船客ターミナルから約1.8km、自転車で約10分ほどの位置にある、黒島を代表するシュノーケリングスポット。
基本的に遊泳禁止となっていますが、干潮時でリーフの内側に出来る天然のプール“イノー(礁池)”で泳ぐことはできます。
海の透明度は抜群でイノー内は波も無いのでシュノーケルに最適。干潮時にはリーフエッジまで歩いて行くこともできますよ。
遊泳は必ずライフジャケットを着用し、流れの弱い干潮時2時間の間にしましょう。
※ 離岸流が発生する海域で、過去に海難事故が多く発生しています。
施設・設備 | |
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トイレ | あり |
シャワー | あり |
売店 | 不明 (行った時は休業中だった為) |
休憩所 | 東屋あり |
監視員 | なし |
旅の際に愛用している「ポップアップテント」を持ってくるのを忘れてしまった…。😢
ビーチには日陰がないので、岩場のくぼみを見つけて拠点基地にしました〜。
人も少なくて目の前には美しい海の絶景。贅沢でした。
② 西の浜
黒島船客ターミナルから約800m、自転車で約3分ほどの距離にある、港に一番近いビーチです。
約2kmにわたって続く白い砂浜とエメラルドグリーンの海が美しい手付かずの自然のビーチで、4月から9月にかけて、ウミガメが産卵にやってくることで知られています。
このビーチは潮の流れが早い為、遊泳禁止ですが、のんびりとビーチを眺めるのには最適の場所です。
施設・設備 | |
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トイレ | なし |
シャワー | なし |
売店 | なし |
休憩所 | なし |
監視員 | なし |
③ 宮里海岸
黒島船客ターミナルから約2km、自転車で約15分の場所にある、手付かずの自然が残る穴場のビーチです。
遊泳は可能なようですが、私が行った時は潮の流れが早かったのと、漂流物が結構ビーチにあったので泳いではいません。その為、海の中はどのような感じかはお伝えできませんが、誰もいないのでプライベートビーチ感覚でのんびりとサンセットを眺めたり、散策するのに素敵なビーチだと思います。
施設・設備 | |
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トイレ | なし |
シャワー | なし |
売店 | なし |
休憩所 | なし |
監視員 | なし |
黒島研究所
1975年に設立された沖縄県でもっとも歴史のある海洋生物の研究所。特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会により運営され、石西礁湖のウミガメ類やサンゴの研究等を行っている他、黒島に住む動物や民具などを展示しています。
館内ではオリジナルグッズの他、サメやウミガメ用の餌が販売されていて、餌は結構購入されている方が多かったです。
入って左側に「資料展示室」、右手にミニ水族館のような「生物飼育室」と分かれています。
「資料展示室」には、サンゴや貝殻の標本、ウミガメの剥製、展示パネル、民具などが展示されています。
「生体飼育室」には、黒島で見られる様々な生き物を飼育・展示しているほか、絶滅危惧種のヤシガニやハブ、サメなどの生き物も展示されていて、身近でゆっくりとみれるので小さい施設ながらも見応えがありました。
夢中になりすぎて、一部写真を撮り忘れました。😅
サメやウミガメは人が近づくと餌がもらえると思い、口を開けて寄ってくるのが可愛かったです。
施設情報 | |
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営業時間 | 9:00〜17:00 |
休業日 | 年中無休 |
入館料 | ¥500 |
伊古桟橋
遠浅の海に伸びる長い桟橋。島内にThe観光地といった場所はあまりないのですが、こちらは観光地らしい場所です。
石垣島から船が行き来していた頃の古い桟橋で、現在は使用されていませんが、2005年に国の有形文化財に登録されました。
青い海の中に一直線に延びる全長354mの伊古桟橋は、先端まで自転車で行くこともできます。
ぜひ、見に行っていただきたい時間帯は満潮時。干潮時だと潮が引きすぎて美しさ半減なので。
満潮時は、海の上を歩いているような気分になれる素敵な場所です。サンセットや朝日をここでみたら本当に綺麗だと思います。
プズマリ
黒島研究所のすぐ近くにある史跡の「プズマリ」。
琉球王府時代に、異国船を監視するために造られた火番盛で、異国船を発見したら、石垣島の琉球府の役所へ連絡が行くように狼煙を上げて連絡していたそうです。
頂上は360度ぐるりと見渡せるため見晴らしがいいようなんですが、倒壊の危険があるため現在は登ることはできません。
沖縄の歴史を感じさせてくれる史跡です。
黒島展望台
黒島船客ターミナルから約1.7km、自転車で約9分の場所にある展望台。島の中央にあり約10mほどの高さですが、平坦な島なので、この高さでも広大な牧草地やその先に広がる海まで眺めることができます。
現在は残念ながら、老朽化のため登ることはできません。
どうでしたか?
何もない島ですが、何もないからこそ、時間を忘れ“何もしない”贅沢と癒しが堪能できます。
不思議と魅了されてしまう黒島、訪れる際の参考にしていただけると嬉しいです。